徒然なるままに。今日もまったり、けせら・せら♪
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22:38:42
カノンとシャイナが結界を強化しているころとほぼ同時刻。
ケルベロスと男との激闘が火ぶたを切って落とされた。
ケルベロスの鋭い牙と爪が男をちぎろうと向かっていく。
だが男はケルベロスの攻撃をいともたやすく、紙一重でかわしていく。
空中を舞う木の葉をとらえるがごとく、ケルベロスの攻撃は空しく空を切る。
木の葉であればある程度軌道を予想し、落ちる木の葉の動きに合わせて先の先をとれるが、相手は生きて意思のある生物。ケルベロスは男の軌道をなかなかとらえることはできない。



「どうやら地獄とはだいぶ生ぬるいところらしい。これでは簡単に地獄から脱出できるではないか。」


ケルベロスに向かって男が軽口をたたく。男は余裕の姿勢を崩さない。


「なめやがって・・・。」


なめられた怒りと攻撃が思うように届かないもどかしさ、自分らの予想を超える相手の器量による焦燥。ケルベロスの、ぎりぎりと口をうならせる表情からはいろいろな感情が読み取れる。


「兄貴、もう出し惜しみしてる時間はない!これ以上なめられては俺たちの沽券にかかわる!とっとと魔法で焼きつくしてしまおう!」


真ん中の首が左の首に吠えた。


「やむを得んか。この周りの樹海が火の海になろうと・・・。ここは死守せねばならない・・・。」


ため息をついて左の首がうなだれる。ケルベロスとしても図書館の周りを破壊するのはあまり好ましく思っていないようだ。


「幸い見ての通り暴風雨だ。火の海になっても鎮火するには時間がかからないだろう。我々をなめた態度、死んで後悔させてやる!」



ケルベロスの6つの瞳が紅に染め上がる。その怒りの満ちた瞳がその男に向けられようと、男から余裕の表情が消えることはなかった。


「ほう・・・私と魔法のくらべっこか。面白い!」

「後悔させてやるよ!おまえは地獄行き・・・生ぬるいかどうか、その身を以て確かめるといい!」


一番右の首が咆哮を上げる。嵐の中の激しい雨音をかき消すかのように、樹海一帯に響き渡る。



「いでよ!地獄の門!!」


咆哮を上げると、ケルベロスの背後の巨大な禍々しい地獄の門が開かれた。漆黒の木でできた木製の巨大な門には、扉の取っ手が髑髏で装飾を施されている。扉の枠の金縁全体に、これもまた漆黒の文字で何かが書かれている。地獄の言語だろうか、地上では使用されていない、象形文字のような字だ。門の周囲には、脱獄を試みた犠牲の骸であろうか、黒く焼け焦げた白骨が山のように積み上がっている。
ケルベロスの激しい怒号に反応し、召喚された地獄の門が鈍い音とともに前に開かれる。


「地獄の深部に根付く罪人の大樹、その枝にたわわに実るは地獄の業炎を宿す禍つ果実。罪人、その身に背負う罪の数だけ果実を食み、その業炎に身を焼かる。紅き果肉はその身を業火で包み揚げ、したたる果汁は身をうちより焦がし苦しめん。罪人の大樹ジャクムよ、今我に立ちはだかる禍つ罪人に地獄の裁きを与えその身を地獄に堕としたまえ!」


「地獄の焔:罪人の果実」

完全に開ききった地獄の門から、炎で熱され赤黒く変色した無数の鎖が男に向かって伸びる。男は自身の前に展開した魔法陣で鎖から身を守ろうと試みるが、魔法陣は破壊され無数の鎖にからめ捕られてしまった。


「・・・地獄の鎖か!!なるほど、罪人を縛っておくにはちょうどいい責め苦だなっ!」


男を縛った地獄の鎖は男を地べたに這いつくばらせる。鎖で男が身動きができなくなると、開かれた地獄の門から黒い羽根をもち、頭には鋭い2本の角をたくわえた、鬼のような形相をした真紅の悪魔が這いつくばらせた男を起たせて、門の正面に体を向けさせた。


「ほう、これが噂にきく、ジャクムの果実を罪人に飲ませるという悪魔か。私に果実を飲ませようというのか」


鎖に縛られ、悪魔に体を固められ、自由を失った状態でも男から余裕が消えることはなかった。相当の自信があるのだろうか、男の表情からは笑みすらもこぼれおちる。




地獄の門の先は吸いこまれるような深い闇。真紅の悪魔が男をがしりと固定したかと思うと、深い闇の中で悪魔より紅く、地獄の門よりも禍々しい雰囲気を醸し出した、一つの紅い鉄球のような物体が門の前に現れた。鉄球はくるくるとゆっくり不規則にその場で回転しながら、男に狙いを定めるかのようにとどまっている。


「罪人を焼きはらえ!ジャクムの果実!!」


ケルベロスの怒号が大地を揺らす。それと同時に紅く燃え盛る鉄のような球体が男めがけて飛んでいく。どうやらこの物体がジャクムの果実のようだ。風を切り裂く速度で男に向かっていき、男の腹に命中したかと思うと、あたりを焼きつくすかの如き火柱が一帯を包みあげた。火柱とともに響き渡る爆音は、あたりの樹海を吹き飛ばし、さきほどより吹き荒れていた嵐は一瞬の静寂を見せる。


ぽつぽつと・・・。雨粒が火柱で起ち上った煙と火の粉を落ちつける。時間の停止した図書館こそ無事ではあるが、図書館を包んでいたあたり一帯の樹海はすっかり焼け野原になっている。雨のおかげで周囲が落ち着いてくると、鎖で縛られた男の様子がわかるようになってきた・・・。


「ハハッ、想像したよりもぬるいな・・・。私の身を焦がし、焼き払うには少々火力が足らなかったらしい・・・。」


ぼろぼろと縛っていた鎖が崩れ、男がローブについた鎖の破片やら舞い散る火の粉やらを落としている。


「何!?」


ケルベロスは驚きの表情を崩せなかった。確かにジャクムの果実は男の腹をとらえ、周囲一帯ごと焼き払ったはずだった。いくら魔術師といえど、その炎から無事に還ることなど不可能である・・・はずだった。
地獄に落ちる魔術師など腐るほどいた。たがジャクムの断罪から逃れ、地獄から脱出できるものは一人としていなかった。ジャクムの裁きを受けた後に残るものは人の形を少しばかり残した、黒々とした黒炭の山。魔術師とて、例外はない・・・はずだった。この時までは。


男はにやりとケルベロスに向きなおる。


「やはりずいぶんと地獄は生ぬるいところらしい。私が地獄に行った暁には、地獄の王と国とりに興じるのも一興かもしれんな。」

ひるむほうは男でなくケルベロスのほうであった。この時からケルベロスの脳裏には負けの二文字が焼きついてしまった。男はそれを見透かしたように言い放った。

「そうだ、これは魔法の勝負だったな。」

「かみつく犬にはしつけが必要らしい。もう私にかみつくことがないように、その身を以て思い知らせてやらねばならないな・・・。」






「格の違いというものを!!!」








男が叫ぶと同時に天が割れ、空を包んでいた分厚い雲が引き裂かれた。雲の合間から顔を見せるは妖艶な紫に光輝く巨大な魔法陣。あたりはさきほどの嵐の喧噪から一転、静寂に包まれる。代わりに空を割く、雷の轟音があたりを支配した。


「天空より出でし神の剣よ。空割き、地割き、人割き、罪を割きたまえ。」

「神の雷:カルマ」

魔法陣がより一層強く輝く。すると魔法陣の中央から山のように大きな紫電の剣が顔を見せる。ゴロゴロと不気味だが荘厳な音を立てながら、剣がその全貌をケルベロスの前に晒すと、言うが早いか、まさに雷のような速度でケルベロスに向かって飛んでいく。着弾すると同時にあたりは白の世界に包みこまれた。


白の世界から元の世界へと戻ると、ケルベロスは地に伏せていた。体を包む体毛は黒く焼き焦げ、形を保っているのが奇跡のように思われた。


「ほう、あの攻撃を受けても体の形は保っているか。さすがは地獄の門番といったところか。」

「さきほどの言葉、訂正しよう。地獄の番人よ、私の前によくぞ立ちはだかった。」

「地獄に帰って誇るがいい。そして・・・身の程を知るがいい。」


もう返事のしないケルベロスにそう語りかけると、守るべきものもいない図書館の大庭園の門をくぐり男は歩みを進めた。もはや図書館の玄関は、男の前では静かにその扉を開くほかなかったのである・・・。
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ナノカ

Author:ナノカ
メイプルストーリー楓サバで活動中。でも今はまったりのんびりマイペース。
思いついたこと、気ままに徒然なるままに表現していこうと思います。


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oOナノ力Oo(200銃)
恋枝てるる(104?メカニック)
-Canon- (??エヴァン)

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